マネージャーのマネジメント業務をメンバーに開示する価値
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
部門やチームの活動報告の際に、「メンバーは自分の業務についてマネージャーに報告するけどマネージャーは自分の業務についてメンバーに開示をしない」という話をよく耳にします。
さらに、メンバーにあたる方々の意見として「マネージャーが何をしているか知りたい」という話もよく耳にします。
マネジメント業務をメンバーに「開示する」「開示しない」の選択については各マネージャーによって好みがあるかもしれません。 また、特に良いも悪いもなく、単に必要性を感じないので開示していないかもしれません。
一方で、私はマネジメント業務を可能な範囲で開示することには価値があると考えています。
今回はその点についてまとめます。
マネジメント業務をメンバーに開示する価値
マネジメント業務をメンバーに開示する価値には以下の2種類があると考えています。
- 視座・視野・視点を強化する
- 不満の発生リスクを抑える
それぞれ説明していきます。
視座・視野・視点を強化する
マネージャーがどのような仕事をしているか知ることは、組織や事業の活動の全体像への理解を深めることにつながります。
結果として、メンバーの視座・視野・視点を強化することになります。
結果として
- 将来リーダー、マネージャーなどを目指す場合、前提のインプットとなる
- 将来リーダー、マネージャーなどを目指さない場合でも、組織や事業の活動全体への視野が広がると、周辺の関係者に対する想像力が高まります。結果として、その人が組織の中で他者と協力して活動する能力が高まります
などの利点が発生します。
不満の発生リスクを抑える
マネージャーがどのような仕事をしているか見えないと、メンバーは見えない部分を推測で補います。
その推測の内容は
- マネージャーとメンバーの関係性
- メンバー本人の思考特性
に依存します。
マネージャーとの関係性が良好であればポジティブな連想をしてもらいやすいですが、マネージャーとの関係性が悪くなっているとネガティブな連想をされやすくなります。
メンバー本人の思考特性がプラス思考であったり、中立的に物事を考える力が強い場合、ポジティブに推測してもらえたり、あくまでフラットに事実が確認できるまで推測を保留にしてもらえます。この場合は問題が起こりにくくなります。
一方で、マイナス思考な場合、マネージャーの活動が見えない部分についてネガティブな推測をしやすくなります。
これらの組み合わせで、どのような推測がなされるかが決まります。
メンバーとの関係性は意図的に強化できますが、メンバー本人の思考特性は変えることができません。
となると、情報開示をしていくことによって、あらぬ不満を生み出さないほうが好ましい、という話になります。
開示範囲の制約
ここまではマネージャーのマネジメント業務をメンバーに開示する価値についてお伝えしました。
一方で、どうしても開示できない業務もあります。
これについては、前もって固有名詞を出さないような単位で、どのような言えない業務が存在するのかを伝えておくことができます。例えば、
- 対人トラブル
- メンバー個人の私生活も含めた個人的な事情に対するケア
- メンバーに開示する前の段階の組織施策の実施
- 他部門のマネージャーから表立って話せないような組織課題に関する壁打ち役を依頼される
など、「話せない複数の業務」を大枠で説明しておき、「自分が何をしているか分からなそうに見えるときは、大体これらのどれかをしているよ。ただ、どれをしているか聞かれても話してしまうと皆さんが察してしまったり、そこからいらぬ推測をしてしまうことにつながるので、あえて濁すこともあるよ」というような伝え方ができます。
こういった説明をスッと受け入れてもらえるかどうかも、信頼関係次第になりますが。信頼大事。
まとめ
マネージャーのマネジメント業務をメンバーに開示する価値についてお伝えしました。
また、開示範囲の制約についてと、その扱いについて補足しました。
開示範囲の制約についても人によって異なるため、どうしても開示できる情報がすくなることもあるかもしれません。一方で、特に開示されて問題ない情報は積極的に開示していくと「マネジメント業務をメンバーに開示する価値」にまとめたような恩恵が得られるでしょう。
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